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業界事例

広告代理店・マーケティングチームのガントチャート活用 ― 多重キャンペーン進行とクライアント承認を整理する

Ganty Team

広告代理店やマーケティングチームの進行管理は、ソフトウェア開発とも建設業とも違う独特の難しさがあります。複数キャンペーンの並行進行、固定された掲載日からの逆算、頻繁に挟まるクライアント承認、終わらない「ちょっと修正」――この記事はその複雑さをガントチャートで整理するための実務ガイドです。

なぜマーケ・代理店業務にガントチャートが効くのか

マーケティングの仕事は性質上、以下の3つが同時に走ります。

  • 複数キャンペーンの並列実行: 1チームが3〜10本の案件を同時に抱えるのが普通
  • 固定納期: 媒体掲載日・イベント開催日・新商品発売日からの逆算スケジュール
  • 承認フェーズの組み込み: 企画案承認、デザイン承認、コピー承認、最終入稿前承認…とクライアントレビューが何度も挟まる

カンバンだとリソース全体の見通しが立たず、Excelだと並行プロジェクトの依存関係が破綻します。3つの手法の比較でも触れていますが、時間軸ベースの可視化はマーケ業務と相性が良い領域です。

マーケPM特有の3つの課題と対策

課題1: クライアントの「ちょっと修正」が制作工程を破壊する

デザイン承認の段階で「ロゴをもう少し大きく」「コピーをこっちに寄せて」――一見軽そうな修正依頼が、制作スケジュール全体を1〜2日後ろにずらします。これが3案件並行で同じ週に発生すると、月末に向けて全部が押す。

対策は「修正対応」を最初からタスクとしてガントに入れること。デザイン作業1本ごとに、修正バッファ用のタスクバーをマイルストーン前に確保しておきます。タスク粒度の決め方で書いたように、「見えないタスク」を可視化するのがガントチャートの本来の役割です。

課題2: 媒体掲載日が固定で逆算が必要

テレビCM放映、新聞広告掲載、SNS広告配信開始――マーケの仕事の多くは、ゴール日が動かせません。そこから「入稿期限」「校了日」「最終承認日」「制作完了日」と逆算します。

ガントチャートの強みは、依存関係を引いておくと納期を1日動かすだけで全工程が連鎖的にずれて表示されること。Excelでは手作業で全行を直す羽目になりますが、専用ツールなら自動再計算されます。詳しくはタスク依存関係の管理記事を参照。

課題3: 案件単位の進捗は見えるがリソース全体が見えない

「案件Aは順調」「案件Bも順調」と1本ずつ見ると問題ないのに、デザイナーの稼働を集計すると週60時間オーバー――これがマーケPMがよく踏む地雷です。

対策は複数プロジェクト統合ビュー。担当者ごとに横軸を統一し、誰がいつどれだけ抱えているかを一画面で見えるようにします。Gantyの統合プロジェクトビューはこの用途のために設計されています。

キャンペーン1本のガントチャート構成例

新商品リリースキャンペーン(3週間)を例に、典型的なタスク分解を示します。

  • 第1週: 企画 ― ブリーフ受領、コンセプト案作成、企画書承認(クライアント)
  • 第2週: 制作 ― キービジュアル制作、コピーライティング、デザイン中間承認、修正対応
  • 第3週: 仕上げ・配信 ― 最終デザイン、コピー校了、入稿、配信開始

各週に承認待ちタスクを1本ずつ独立させて置くのがコツです。「クライアントレビュー: 2日」のような形で明示しておくと、待ち時間がボトルネックになっていることが一目で分かります。

クライアント承認をフローに組み込む3つのコツ

コツ1: 承認待ちは「タスク」として扱う

「Aさんに送ったので、あとは返事待ち」――この状態を「タスク無し」にすると、ガントチャート上で待ち時間が消えてしまいます。代わりに「クライアント企画案レビュー」という担当者=クライアント名のタスクを置きましょう。これで遅延の責任所在が明確になります。

コツ2: 修正サイクル数を契約に明記

「修正は3回まで、4回目以降は別見積もり」――こうした条件は、契約段階で決めておきます。ガントチャートでは「修正対応 第1回」「修正対応 第2回」「修正対応 第3回」を3つのタスクとして並べておくと、サイクル消費が可視化されます。

コツ3: 承認ボトルネックの統計を取る

「いつもデザイン承認に5営業日かかる」と分かれば、その分のバッファをスケジュールに最初から組み込めます。プロジェクト管理KPI記事で紹介している「承認所要日数」のような指標を3案件くらい計測すれば、自社の平均待ち時間が見えてきます。

AIで毎週のキャンペーン進捗報告を自動化する

3〜10本のキャンペーンを並行管理していると、毎週のクライアント報告だけで半日仕事になります。AI連携を使えば、これが10分に縮みます。

GantyはModel Context Protocol (MCP)に対応しているので、Claude Desktop から「来週レビュー対象のタスクを各キャンペーン別にまとめて」と話しかけるだけで、案件別の進捗サマリが出てきます。設定はMCP連携ガイドで5分で完了。

Gantyでの実装ポイント

  • 複数期間タスク: 週次定例MTGや月次キャンペーンレビューを1行で管理(使い方ガイド
  • 外部共有リンク: クライアントには閲覧専用URLを渡す。Excelをメール添付するより安全かつ常に最新(クライアント共有の方法
  • AI でキャンペーン雛形生成: 「新商品ローンチキャンペーン、3週間、デザイナー2名」と入れるだけで、過去類似案件をベースにしたタスク一覧を生成(AIタスク生成ガイド
  • 色分けルール: クライアント別/フェーズ別/担当者別から1つ選んで運用(色分けルール参照)

次のステップ

マーケティング業務にガントチャートを取り入れるなら、最初に1案件で試すのが定石です。いきなり全案件を移行しようとすると現場が混乱します。1キャンペーンで効果を実感してから、他案件を移行する流れがリスクが低い。

Gantyは5名まで無料で、本記事で紹介した機能はすべて無料プランで使えます。クレジットカード登録不要、メールアドレスだけで今すぐ始められます。さらに業界全体のベストプラクティスはガントチャート完全ガイド、他業種の活用例は事例ページで公開中です。

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